フリーランスエンジニアの健康保険は国保
フリーランスエンジニアは、顧客先企業の発注を受けてシステムを構築し、完成したモノを納品して初めて制作費が受け取れるという立場にいます。ここが企業が自社で抱えるエンジニアとの最大の相違点であり、成果以外の仕事に関して自由である代わりにいわゆる給与所得者が持つ権利がまったく保証されないということです。
具体的に言えば労働関係法の対象でもなく、企業の法定福利の社会保険方式による医療保険の対象でもないわけです。ようするに発注主企業が相手の事業主に対して成果報酬で契約を結んだのと同じことなのです。ですので発注企業との関係はあくまで企業対企業であって、企業対従業員ではありません。そのため原則として医療保険については自分で国民健康保険(国保)に加入するしか道はありません。
あるいはウルトラC的な方法としては、システム構築に要する期間だけ契約社員として雇用してもらうか、自分で会社や事業所を興して社会保険方式で運営される健康保険に加入するしか方法がないのです。とくに会社で加入する健康保険は一定額が会社の負担となりますのでケースバイケースですが国保よりも割安になる可能性が高いといえます。
そしてもっとも注意しなければいけないのは、サラリーマンとしてエンジニアをやっていたほうが得なのか、フリーランスエンジニアとして活動したほうが実質年収が増えるかということです。この比較をしっかり行わないうちは、自分でやっていたほうが儲かると安易にフリーランスエンジニアに転向しないことが大切です。